オサーンになってから「新しいことにチャレンジしよう!」と重い腰を上げるのはなかなか勇気が必要なことである。若いころは何にでも興味津々で、何にでも挑戦し、失敗し、面倒を被ったことも多くあったが、いつの間にか挑戦することを極端に拒むようになった。
40オーバーオサーンと俗にいう「立派なオトナ」という看板をぶら下げて、世間知らずを露呈したくないという羞恥心が新た挑戦を遠ざける───。年齢を重ねているだけの毎日同じことを繰り返すオサーンに、世間一般の常識は劣化したもの程度しか持ち合わせていないと言える。涼しげに解った顔をしながら、なんにも解ってないのがオサーンという生き物。なんともツマラン人種だろうか───。
年齢にかぎらず、誰でも新たな挑戦は心細くもあり、不安でもあり、平常心では居られない───。知り尽くした世界でだけ偉そうにしているオサーンは、我が家でのみ”鍋将軍”を名乗るという悲しい内弁慶。(アウェーで1勝もできない弱小サッカーチームのよう───)
会社ではゆとり世代の新入社員に偉そうな態度を示すオサーン将軍が、部下とは絶対に社外レクレーションなどに同行しないのは世間知らずがバレたくないという事情から───。自分のテリトリーでのみ力を発揮するオサーン将軍は別名「職場デノミ将軍」。
世間を知り、自分の愚かさを知り、謙虚に世間を渡り、勉強を欠かさないゆとり社員が、職場デノミ将軍と比べ、なんとも頼もしく映る───。
人は、集うコミュニティそれぞれに見せる顔が違うと言われるが、社畜集団の中で偉そうに振る舞う職場デノミ将軍は、ドコかでは何かと問題ばかり起こす”トラブル将軍”かもしれない。はたまた「ちょっと困っちゃうわぁ〜」なんてご近所奥様たちに煙たがられる”面倒将軍”なのかもしれない。誰とも集わない”アウトロー将軍”ということも大いにあり得る。
そんな想像を展開すると「その反動で自分の勝手知るフィールドで傲慢、横柄な態度を撮るのかもしれない」と少しばかり寛大な気持ちになれる。そんな職場デノミ将軍を哀れみながら、今日も彼の持論(彼自身は説教と言っている)を聞いてあげた。私を含め、ゆとり世代の新入社員はなんとも心が寛大だ───。