とうとう当たり前に出てきた加齢の匂い

なんだなんだ!?この違和感。高湿度であるがゆえの篭ったように鼻に届く「微臭」───。特徴的な猫背状態でデスクに覆いかぶさる私に届くこの臭い。周囲を見渡しても、そこに存在するのは私だけ。

目を閉じ、呼吸を整え、全神経を「鼻」に集中させる───。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

どうやら、私の首もとから背中にかけての広範囲から発せられているもよう───。まさか!?これか!?これが加齢臭というやつか!

悲しくなった───。

とうとうこのオジサンしか発せぬ臭いが、日中のしかも活き活きと仕事に精を出している(つもり)の最中に自身から漂ってくるとは。なんてことだ!(怒)

たったこれだけのことで、作業効率は大幅にダウンし、対人コミュニケーションにおける和かな笑顔すら作れなくなってしまった。加齢臭の出処は「耳の裏側」と勝手ながらに思っていたが、あるメディアの情報などによって「背中」という認識もあった。しかし、自分が発することで確信に変わった。「背中」なのだと。

背中から出ているこの「臭」には、多大な憎悪を生みだす不思議な力を持っていると常々考えていたが、自分がその発生源となったとき、それには大きな悲しみが込められているということを知った。

また1つ悲しみを背負い(文字どおり背負っているわけだが)、私は大人になった。

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