今となっては伝説と化している「2000円札」。800円の買い物で支払いに1万円を出しても「2000円札」でお釣りを渡されることはない。完全なツチノコ状態───。
ツチノコというと伝説の生物だが、それを「見た!」という人「見間違いだ!」という人いろいろだ。伝説の生物というと「ネッシー」や「ビックフット」などが記憶から呼び覚まされるが、どれも様々な疑惑と着色のオンパレード───。
しかし、テレビのノンフィクション系の番組などを見ていると、外国人のインタービューのアテレコが神妙であればあるほど現実性が増すのはどうしてだろう。その人の職業や、どういった経緯の持ち主なのか知りもしないのに、言葉だけが誠実さのある落ち着いた声色の日本語というだけで、なぜか「この人の言っていることに嘘、偽りはない!」と思ってしまう。外国人に対する劣等感からか、なんとも単純な人々…否、私───。
声のトーンや落ち着きは、人の心理に大きく影響することは専門家の分析などでも実証済み。例えば、ドラえもんが秘密道具をのび太くんに説明する場面において、ゆっくりと落ち着いた口調であるからこそ、その道具の信憑性が伝わる。これが、早口で慌て口調だった場合、その道具への信頼性は実証するまで受け入れられないだろう。
とはいえ「どこでもドア」でどこにでも行けるなんて口調だけでは信用できないものではあるが───。
口調で人の感情が左右されるということは、真実でないことに「落ち着いた口調」をあて込み、真実に「慌て口調」をあて込むと世の中がひっくり返る現象が起こりそうで、楽しそう───。
口調がこんなにも人の心理に影響するものだから、世の中には”詐欺師”や”ペテン師”がのさばっているのだろうか?もしかすると企業の”敏腕営業マン”と呼ばれる人などはこれらと同類な人種かも…。そう考えると「口調をコントロールするセミナー」なんて開催したら評判になること間違いなし。───なんてことを考えたりする世間知らずのリーマンの妄想。
ビックフットがネッシーを材料に作った料理を2000円で食べさせてくれるお店が近所にあって、そのお店の名前が「ツチノコ」っていうのよ───。って落ち着いた口調で話し、誰かがそれを真実と受け止めてくれれば「口調コントロール」の資格を与える───。なんて…。
この話のなかで現実として存在するのは「2000円札がある」ということだけ───。