自分だけじゃなかった。皆おなじことを考えているということ

トイレの洗面場にペーパータオルが復活してきたのはここ最近のことだ。 先の約20年、トイレにはハンドドライヤーが主流だった。 確かこれが設置し始めたころ頃はエコブームがもてはやされており、ロールタオル、ペーパータオルは資源の無駄遣いとされ、コスト削減の合言葉とともに徐々に数を減らしていった。 その代わりとなって設置されたのがハンドドライヤーだ。 「空気はタダ」という営業トークに後押しされる形で急速に普及していった。 濡れた手をかざすと、センサーが感知し空気を吹き出し乾かしてくれる。登場当初は「未来的」なこの装置に21世紀の先駆けを見た気分になっていた。

しかし、時間の経過とともに見慣れてくるとその性能不足に苛立ちを感じるようになった。風量が少ないのか?その強度が物足りないのか?手をかざしても全く水気が取れないうちに送風が止まることがしばしば起きだした。

エコブームだけに、この装置を起動する時間も短く設定していたのかは定かではないが、洗浄した手の水分を取ることが目的の装置でありながら、それが叶わないとなれば当然不満も積もる。こんな不満を抱えながら「今度こそは」とチャレンジするも叶わぬ夢と散る。さらに時間が経過すると、あるタイプに限ってはとうとう「不潔」と感じてしまった。

そのタイプとは、手を床に対して直角に上から装置に差し入れるタイプのハンドドライヤーのこと。手を洗い、装置を使おうと近ずき見ると、手を差し入れる部分が水滴だらけの濡れた状態になっている場面に出くわした時「不潔感」が意識に宿った。このテの意識は一度宿らせたらもうお終いで、このタイプのハンドドライヤーを使う気になれなくなった。

また、それだけで終わらないのが私の強味で、温風機能付きのハンドドライヤーも「怪しい」と感じるようになってしまったのだ。吹き出す空気を温風とすることで「これまで以上に水分除去が迅速」とその性能に特化したタイプの装置だが、水分を少しでも早く除去しようと手をバタつかせる温風の吐出口付近ってどれだけ細菌や微生物が繁殖しているのだろう。うわー。もうダメだ!。思ってしまったら最後。もう使えません。コワっ!。

なんて考えていたころにペーパータオルの復活だ。不潔感を感じている人が私だけじゃなかったと知り少し救われたような気分。

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