最高気温の更新がいとも簡単に達成される折、爽やかなリーマンに憧れる汗ダクオサーンの気持ち

茹(う)だるような暑さの中、スーツをシッカリと着こなし、ネクタイまで意識が行き届いたビジネスマンのカッコ良さに魅せらせた。

キリリと引き締まった顔立ちと、爽やかな笑顔。何処からか爽快な一陣の風が優しく、穏やかにフッと頬を撫でる。そんなステキな立ち振る舞い───。

私が同じことをしようものなら、溢れ出る汗が、ゲリラ豪雨に見舞われながらも足早に目的地に辿り着こうと疾走するオサーンのように、首元から肩口に広範囲の雨痕のごとく汗ジミを残すに違いない。

爽やかな彼は、当然ながら「夏専用」のビジネススーツの着用であるのだろうが「夏専用」とはいえ、そこまで涼しい代物ではないだろう。シャツ1枚でさえ汗ダクな私にとって大きな疑問。

モビルスーツにおける「シャア専用」の接近戦においてザクとのスピード差に驚愕した連邦軍も、ことビジネススーツの「夏専用」の私の意見には賛同してくれることだろう。

「───だろう」としか言えないのは、私が「夏専用ビジネススーツ」を手にしたことが無いからに他ならない。根っからの貧乏性である私としては「3シーズン」のそれを購入することがデフォルトで、「夏専用」の1シーズンスーツは贅沢品の扱い。「たった1シーズンのために…」なんて思考がもはやダサリーマン。

次回のボーナス時期には、計画的に「夏用ビジネススーツ」の購入を検討しよう───。とはいえ、「夏用」を羽織っていながら “汗ダク” 状態なんてことにでもなれば、周囲に要らぬ気使いをさせてしまうやもしれん───。

夏用ビジネススーツを纏うからには、絶対に汗をかいてはいけないのだ。このプレッシャーに耐えられる強い意志がなければ「専用」を手にすることなどできない。シャアも、この強い意志があってこその「シャア専用」に搭乗できた。40オーバーのリーマンにとって最も足りない要素である「強い意志」───。早々と「夏専用」の購入計画を断念することを決意する。

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