「ほしい物リスト」を作ることで無駄遣いが減った話

新しくカメラを買いたいと考えている。ほしい物はすでに見繕ってあり価格.comで最安値、ヤフオクでの新品・中古相場も調査済みだ。更にレンズやストラップ等のアクセサリーの類も同時に入手したい。SDカードも大容量のものを新調しよう。予備バッテリーや充電機は別売りのようなのでこれも手に入れなければならない。カメラバックは、今まで使っていたもので良かろうか?否。どうせなら新調したい。カメラのサイズが全く異なるわけだから、いままでのモノでは役不足だ。

物欲が沸き立ち購入を検討するとネットの使用時間が一気に過大化し、有益な情報探しに力が籠る。エバーノートの「ほしい物リスト」が一気に肥大化し、購入後の行動イメージが頭の中で再生される。何度となく繰り返し再生することで合理的に必要な物をセレクトする。また、違ったシチュエーションでのシミュレーションも欠かさないことで過不足ない「ほしい物リスト」の完成を目指すのである。

これに要した時間は数週間から数か月。「ほしい物リスト」の充実化を提案してくれたのは私の妻であるが、これを取り入れたことで衝動買いという行為が大幅に軽減された。

「選び悩んでいる時が一番楽しい時間だ」とはよく言ったもので、このリストの作成と吟味が、明日クリスマスを迎える少年時代を彷彿とさせるほど心ときめく時間となり私の購入検討時の行動として定着した。これだけの時間をかけて吟味したこのリストは、世のどのリストよりも魅力的で充実したものである。吟味を重ねたそのリストは、あるタイミングでプリントアウトし、ヨレや皺を防止するためクリアファイルで保護される。

数週間から数か月も画面の中でじっくりと煮詰められてきたそのリストは、紙媒体にアウトプットされ、またあらたな魅力を放つものへと進化したようにも感じる。何度も見返しイメージとのアンマッチを探すも、ここまで成熟された内容に不足はない。

「よし」と言葉になるかならないかの息を吐き、そのリストを妻の目下に気合を入れて届ける。甘い言葉と日頃の感謝を取って付けたことがバレないように囁きながらも、たったひとこと「却下」でゲームオーバー。

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