偉人と同じ意識を持つバカな社畜

雨が降っているからコンビニで適当な傘を買う。傘を手にした瞬間から包装を解き傘を開くことになるので、買ってから使うまでのタイムラグが全くない。

しかし、使い捨て感覚の傘でなくそれなりの”傘(常用)”を事前に購入する場合、使うまでにタイムラグが存在する。しかも、雨が降りだした時にそれを持参していなければ使う機会を失い、それでいて雨に濡れるわけにもいかないので結局どこかで傘を買う羽目になる。

事前に買った常用(のつもり)の”傘”は出番を無くし、精神的には「無駄遣い」をしたという自責の念が自分を攻撃する。

そんな思いは二度と御免と、朝の出掛に天気予報をしっかりとチェックするようになるのは、常用のつもりで購入した傘の無駄を解消するための行動であり、無駄遣いをしたという精神的なダメージを回避したいという防御本能だ。

そして、常用のつもりで購入した傘が文字通り「常用」になるまでこの呪縛に縛られる。こんなストレスを感じるのであれば「傘(常用)」など買わなければよかったと思う。軽くて壊れにくく、撥水性も高く、柄もお洒落なもの…。コンビニで購入する傘とは、選択肢も多く、それなりに悩んで購入したにもかかわらず、買ってからも悩まされることになるなんて。

アップル創業者スティーブ・ジョブスは同じ服をいくも持っていたという。”服を選ぶ”という「時間」と「意識」を短縮するためだそうだ。ということは服よりも頻度の低い傘などに「時間」と「意識」を割くなんて絶対になかったろうる。コンビニの傘を常用にしている私は、偉人と同様のスタンスをとってることで自己を正当化しているだけでなく優越感すら抱いている。

誰かに聞いた。偉人は雨に濡れずに出社できるところに住んでいたらしい。

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