影響力がないから言えること

一般的な社畜の制服はスーツと相場が決まっているように、私もスーツ着用で出勤している。「スーツは大変ねぇ」と近所の巨乳夫人に声をかけられれば「そうですね〜」なんて愛想よく挨拶を交わす。

正直スーツは全然大変じゃない。何を着ていくか迷うくらいなら、決まったローテで流しても違和感のないスーツは万能だ。しかしスーツの中、Yシャツというものは面倒極まりない。袖や襟のちょっとした汚れはダイレクトに「不潔」感を煽り、自身の株が一気に下降線を描く。おろしたてのYシャツにコーヒーでも跳ねようものなら、誰にも気づかれず号泣すること間違いなし。

そんなリーマンのほとんどは「行きつけのクリーニング店」があることだろう。私も行きつけと呼べるクリーニング店を一つ抱えているが、決まったクリーニング店に行くのは、それぞれの「依頼から引渡しまでの一連のシステム」の差異を理解するのが面倒というたった一つの理由で決まってくるのだ。全国統一にしてくれれば行きつけなどなくなるから便利のような気もするが、競争社会にメスを入れることなど人生の末端をそろりと歩く社畜風情には到底無理な話だ。

そんな私の行きつけクリーニング店は不定期にメールにて「本日より1週間40%オフ!」なんていうキャンペーン広告が送られてくる。お店にとっては定期的、もしくはそれなりの周期と計画性で行うキャンペーンなのかもしれないが、それがユーザーに伝わっていなければ不定期と言われてもしょうがない。

そんな「40%オフ!」メールを見て、得と感じる人はいるのだろうが、私は完全い損した気分になった。なぜなら先週冬物のコート類をまとめてクリーニングに出したからだ。コート類のクリーニングは結構なお金がかかる。確か先週も「あらぁ〜結構いくなぁ〜。来週は晩酌を控えよう」なんて思いながら支払いを済ませた。それが「40%オフ!」なんて!なんなんだ!ほぼ半額じゃないか!

お安くなるのはいいけどね。定価で利用した人にとってはそれってお得感どころか不信感が芽生えちゃうんですよね。完全に”損した感”が生じるわけだし。さらに掘り下げると、私が冬物を出したとみてこんなメールを送ってくるのか⁉︎とも考える。こんな思考になったらもう末期ですよ。クリーニングを依頼するときは必ず会員カードをピッっとやってるし───。

お得感の演出はもっと上手くやらんと…などとクリーニング店の営業戦略にメスを入れても、社畜ごときの意見で何も変わらないから、安心して意見できるのかもしれないな。

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