世界最速の早食いを披露するオサーンの話

禁煙5年(中抜け1年)を迎え体調がすこぶる良いと感じている今日この頃であるが、いつまで経っても「吸いたい」欲求は無くならない。たぶんTABACOとOPPAIはこれからも”吸いたい”思いは衰退することはないのだろう。そんな事を考えながらも喫煙所近くを通るとタバコの匂いが吐気を誘う。気持ちとは裏腹に完全に身体はタバコを拒否しているようだ。

そんな嫌煙体質に変化したオサーンであるがゆえ、外食時の食事処が未だに分煙が出来ていないと苛立ちを隠せない。入店してすぐにそれが分かると、怪訝な表情で店を後にし、二度とその暖簾(のれん)をくぐることはない。しかし、そのことに気が付かず入店し注文(「炒飯ひとつ!」)が済んで一息、未分煙であることに気づいたときのダメージは大きい。店構えやその雰囲気に安心し注意力散漫なときに出くわす大打撃。ミス。大ミス。ビジュアル要素に隠された思い込みと過信が生んだミステイク。ナンテコッタ!。

こうなると注文キャンセルを申告するか、近隣の席に人が来ないことを祈るかのどちらかを即座に選択する必要がある。とはいえ「人に迷惑をかけるんじゃないよ」と優しく教育されてきたオサーン(当時子供)は、注文をキャンセルするには肝っ玉があと2つ、3つ足りない。平然を装い人が来ないことを祈るも、願いを込めるや否や隣席に着席するガテン系が手にしているものは誰もがよく知るF1スポンサー。オエ─────。

これは誰が悪いのか!?。お店か!?客か!? 否!私だ。未確認で入店し、気が付くもそれを主張できない日本人。外国人が思い描く勝手な日本人のイメージにドンピシャな私。クソ────!
「そんなんじゃ外国では生きていけないよ!」と叱られそうだが「ここは日本ですから」と口だけは達者で「ああ言えばこう言う」オサーン。人からの指摘を素直に受け止められず、皮肉で返すことしかできないところが悲しき頭固の40オサーンの典型だな。と自分でも分かります。ハイ。わかっちゃいるけど止められないのです。スマソ。

こうなったらF1スポンサーに向け「オレのほうが世界最速だぞ」と言わんばかりの高速で目前の炒飯を食すことにトライするしかない。こんもりと盛り付けられた炒飯のコーナーを型どった盛り付けにレンゲを指し、米粒がコースアウトしないように細心の注意を払いながら一定のリズムで口へと運ぶ。頭の中で古館一郎がセナvsマンセルの壮絶なバトルを絶叫するように、私と炒飯の攻防を実況する。(F1実況_古館世代の皆さーん。同意して────)

数分後___。味を意識しなまま最終のレンゲを口に運び、最速タイムで店を後にする。もう二度と来ないからな!(涙)

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