「巻き戻し」という言葉が通じない!という事実に鳥肌が立った。録画したテレビ番組を見ていたとき、見逃したシーンを再視聴したい場面で「巻き戻して!」と懇願するが「What!?」みたいな顔をされた。
そんな顔をされコッチこそ「What!?」なのだが、20歳近くも年が離れた若人に威圧的に迫りパワハラ問題に発展でもしようものなら、私の社畜としての立場はさらに悪化するだけ。優しく「What!?」の真意を問うと、「巻き戻し」という言葉を知らないとのこと。テレビのリモコンボタンを見ると「早戻し」───。なにぃ────── !?「巻かないの?」
アナログ時代の録画、録音媒体は磁気テープを使っていたことから、テープをリールに巻き付けるという方式しか存在しなかった。映画、ビデオ、音楽───。どれをとってもテープがリールに巻き取られ、それを再生していた。しかし、デジタル時代の21世紀の現代において、テープという概念が無い。それ故に「巻き戻し」が通用しないわけだ。なんとも、時代の進化は末恐ろしい───。
そんな若人に、カセットテープたるものをネットで検索して教えてみた。すると以外にも「So! Coooool!!!!」とな───。時代の最先端NYでも、いまカセットテープがクールなのだそうだ。こんなテープになぜ録音ができるのだ!とさんざん質問されても、私は「ググれ」としかアドバイスはできない。カナシー。
カセットテープにしても、レコードにしてもアナログのそれらは現在では贅沢品の位置づけだ。それを再生する機材も数が少なく貴重となり、故障すれば一品モノとして修理するしかない。メディアも劣化という問題を解決するために、かなり厳重な管理の基、保管しなければならない。
40オーバーオサーンにとってみればデジタルの便利に恩恵と感じているが、若人世代ではデジタルの有り難味はそれほどではないというギャップ───。
「遊ぼう!」とファミコンのゲームカセットをもって集まった親戚の家で、一緒に集まってくれた大人たちの手にあったメンコに「なにこれ───!」と夢中になった子供時代を思い出した。