私は「テクノロジーの進化」を知る世代である

時は2016年_21世紀─── 。私たち(40オーバーのオサーン世代)が子供のころに魅せられていた21世紀の空想絵図は、車が空を飛び、立体テレビ(3Dテレビ)が茶の間を湧かし、宇宙旅行が一般的になっているというモノであった。専門家も「これまでの技術の進化・発展を考えるとありえない話ではない」と語り、私たちは子供ながらに「そんな世の中が当たり前に訪れる!」と信じ将来を夢見ていた。

しかし現在、当時の空想が現実になった世界が目の前に広がってはいない。ノストラダムスが予言した「世界を滅ぼす神、降臨」も無く今を迎えている。専門家は嘘つきだ。

終いにはノストラダムスの予言は「パソコンの内部演算プログラムが”2000年”を演算するか?これにより世界の中のシステムがダウンする可能性がある!!」などと、巧みに話題をすり替えながら「どこまでノストラダムスで商売ができるか!?」というチャレンジを繰り返していたような記憶がある。

それにしても当時は、テレビ、雑誌、広告とあらゆるメディアで「ノストラダムス」と題したものが蔓延っていた。アナログ時代に生まれたノストラダムスが”デジタル化の危機”を予言していたかのような無理矢理な見解に繋がったのも人知の空想───。

空想を語ることに罪はないわけで、それを信じるかどうかはアナタ次第───。(どこかで聞いたようなセリフだな───。)

それが今では「ノストラダムス」という文字列を探すことのほうが困難だ。あれだけメディアに取り上げられていたワード「ノストラダムス」───。定型文に登録さてていてもおかしくないほど使用頻度だったろうに、それは21世紀の幕開けとともに消え去った。私としてもお昼過ぎの眠気に襲われながらのくだらない会議中にチョコっと思い出す程度───。まさに「鉄とビジネスは熱いうちに打て!」

それに代わったワードが「IT革命」なる言葉。パソコン端末が「オタク」のツールから出来るビジネスマンの象徴として認知され、Microsoft Word、Excelが出来るだけで「優秀!」と、ボーナス査定が「S(特優)」となった───。またモバイルに進化したそれは、一人に1台となりインターネットに接続する端末としてビジネス領域から一般家電領域にまで普及している。

不意に「アナログ時代」から「デジタル時代」、そして「IT時代」を暮らしてきた昭和後期生まれは、時代の移り変わりを語れる大変重宝される世代なのではないか?と感じた。

オートリバース機能のカセットデッキに興奮し、時間があればカセットテープを再生していた鼻たれ小僧が、思春期にCDという劣化しない音源でMötley Crüeを聞いた。そして現在ビートルズのデジタルリマスター音源をダウンロードしている───。

拝啓、おじいさま。戦争を知らない子供たちは「テクノロジーの進化を知る世代」となってここに居ます。

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